はじめまして。
ヒビ、ワレ、古きモノ、壊れたモノに魅せられ、ちゃんと漆でワレモノ修理をしている「モノ継ぎ」の持永かおりともうします。
ガラスと陶で作品を作っていたときから、現在仕事にしている陶芸教室での生徒さんの作品を焼成している今も、割れ・ヒビとはずっと戦っている気がします。
割れては直し、ヒビが入っては直し、合成接着剤と絵の具を使い、美術品から花器まで多くの物を修理修復してきました。
そんな言わば直しのプロなのに、自分の食器が割れてしまった時に、あれ、直せない…?
花器やオブジェなら自分の技術で直せる。でも合成接着剤では食器は直せない。見た目は直せても、接着剤で直した器では食事に使えない。
そんなことに気づいたのは、愛用していた住田文男さんの飯碗を割ってしまったとき。
この器をちゃんと漆で直したい。そう思ったことが「モノ継ぎ」の始まりだったような気がします。
言わば、原点です。
大切な器を壊してしまい、捨てることも出来ずにずっと持ち続けていたそのときの自分の思い。
同じような思いをしている人がいたら、少し勇気を出して声をかけてほしいです。
大丈夫。ちゃんと直せますよ。