ガラス修理の接着面が美しいと言うこと

いま、ガラス修理が熱いです。私一人の話ですが(笑)


当たり前だけど、陶器や磁器の割れ修理は、接着した断面は見えず、そのときに出来たラインの上を金や銀で装飾しています。


偶然に出来たラインの美しさに、いつもほれぼれしながら仕事しています。


でも、ガラス修理はその断面が丸見えです。


紫外線感光型接着剤で着けたときは、どこが割れてるんですか??と聞きたくなるほど断面がわからなくなります。

これはUVならではの素晴らしい現象。(食器には使えませんが)


新漆を塗り金箔銀箔を挟んで接着するやり方も有りますが、これも断面はきれいなようですが食器には使えない。(新漆は漆ではないので)


ここで満を持してガラス用漆の登場です。


私がいまもお世話になっている蒔絵教室の先輩からわけていただいたガラス用漆でテストをして、ようやく実用化したのが数ヶ月前のこと。


当然ながら、漆なので接着面は黒くなり、ガラスなのでそれが丸見えに。

それを隠さなければならない点が、唯一の弱点でした。(粘度が高くヒビに入らない点も弱点ですが)


でも、アレコレ工夫してみたら、なんとまーウソのように断面が綺麗になり、あれだけ隠したかった断面をむしろ見せたい!見て!と大きく心境も変化しました。


特に厚みのあるガラスを接着したときの美しさは格別で、ひと月程の固めの期間中も、必要ないのに嬉しくてチラチラ見ては一人うっとりしています。


なので、いまガラス修理が熱い。と言うわけです。


欠けてしまってパーツがなかったり、ヒビの修理となるとまた話は別になってくるので、あくまでも、ガラスの接着修理が熱い…と言った方が的確かもしれません。


直し途中になりますが、写真でこの感動を共有していただけたら嬉しいです。


しつこいけど、本当に美しい!まるで水中を漂う謎の生物のよう…