仕上げについて。
写真 : 黒漆仕上げ+金消し粉仕上げ
この皿のように、金彩が施してある箇所を継いだ時は、周囲の金彩を傷つけないために「消し粉仕上げ」になります。
「磨き仕上げ」は文字通り金や銀を研いで磨いて仕上げるため、周囲に金彩が施してあったり、傷つきやすく汚れやすい陶肌には向きません。
一つ一つの器の状態を見て最適な方法を探すこともまた、大切な仕事なのです。
直接お会いして依頼を受ける「公開受付」に比べると、メールやお電話でのやり取りだけでは、どうしても仕上げのイメージをお伝えしづらいのが現実です。
そこで「仕上げの参考例」のページを作りましたので、ご覧いただき、少しでもお手持ちの器の仕上がりをご想像していただけると幸いです。
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さて、この器。手のひらに収まる小皿の中に、吸い込まれるような華やいだ景色が描かれています。
呉須で絵付けされた個所はあえて漆黒のままに。華やかな上絵のところのみ金仕上げに。
華やかでユニークな景色が生まれました。
2016年11月25日
↑銀継ぎ『消し粉仕上げ』:柔らかい陶質+蓋裏側の周囲が無釉なため磨き仕上げは不向き
↑銀継ぎ『磨き仕上げ』:しっかり釉薬がかかっているので、磨き仕上げでも、マットな消粉仕上げでも、どちらでも可。
↑銀継ぎ『消し粉仕上げ』:無釉ではないが、粉引き特有のマットで汚れやすい陶肌なため、磨き仕上げではなく『消し粉仕上げ』が向いている。
↑金継ぎ『磨き仕上げ』
しっかり釉薬がかかっているので、磨きでも消し粉仕上げでも、どちらも可能。